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相続登記の質問事例集 |
他人に売り渡すことになっている不動産でも、相続登記が必要ですか? |
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必要な場合と、必要ではない場合があります。
それは、@被相続人の生前に売買契約を締結したか、A被相続人の死後、相続人が売買契約を締結したか、によります。
つまり、@の場合、被相続人が生きている時点で所有権が移転しており(原則として、売買契約では、登記の有無を問わず、契約と同時に所有権が移転します)、相続人が承継しているのは、その売買に基づく所有権の移転の登記義務だからです。一方、Aの場合には、一旦相続人が当該不動産を相続し、その後、相続人から買受人へと所有権が移転していますので、相続登記を省略することはできません。
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父の死亡後、良く分からないままとりあえず法定相続分どおりに相続登記をしてしまいました。その後、相続人の話し合いで、その不動産は長男である私が引き継ぐことになりました。このような場合、どうしたら良いでしょうか? |
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法定相続分による相続登記後に行われた話し合いが、「遺産分割協議」に相当するものであれば「年月日遺産分割」として登記をすることが可能です。一方、相続人間での話し合いの内容が、対価を伴う売買や対価は生じないものの贈与と解される場合には、それぞれ「売買」や「贈与」などの原因によって登記をすべきことになります。
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再度の遺産分割協議による相続登記のやり直しは可能ですか? |
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一旦、遺産分割協議書を添付して相続登記をした後であっても、一度その登記を抹消し、再度別の遺産分割協議書を添付して登記をしなおすことは、登記手続き上は可能です。ただし、税務上、譲渡として扱われ、譲渡所得税等が課せられる可能性が高いですので、その点を考慮する必要が有るでしょう。
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相続する土地の一部は農地です。この場合、農業委員会等の許可が必要でしょうか? |
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相続による承継の場合、不要です。
一般に農地の名義変更の登記には、農業委員会や都道府県知事の許可を得なければならず、許可書を添付しなければ、名義変更の登記も認められません。しかし、相続の場合は通常の譲渡行為とは異なり、被相続人の権利義務の包括的な承継ですから、許可等がなくても、相続による名義変更登記が可能です。
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相続登記はいつまでにしなければならないのでしょうか? |
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相続登記については、いつまでに、という期限はありません。
したがって、何十年か経ってから登記をするということも理論上は問題ありません。
しかし、時が経つにつれ、他の相続人の心境や人間関係に変化が生じ、当初は直ぐにでもできると思われた登記が、時間が経ってからでは事実上不可能となってしまう場合がありますから、相続人間で話し合いがまとまっているのなら、なるべく早く手続を済ませておくべきでしょう。
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2代前からずっと相続登記をせずに放りっぱなしなのですが、相続登記はできますか? |
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手続き的には何の問題もなく相続登記が可能です。
ただし、遺産分割協議が必要となるケースでは、相続人の人数自体が非常に多くなり、遺産分割協議が調わないなどの可能性は高まります。
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4人の相続人のうち、一人だけが遺産分割に反対していますが、賛成している三人については相続登記をしておくことができますか? |
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法定相続分どおりの相続であれば可能ですが、それと異なる割合等により登記をするのであれば、賛成している三人についても、相続登記をすることはできません。遺産分割協議は一部の者を除外してすることはできないためです。
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相続による不動産の名義変更手続(相続登記)はどのくらいの時間がかかりますか?? |
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概ね1ヶ月程度で名義変更が可能です。
ただし、遺産分割協議書の調印に時間が掛かったり、転籍を繰り返していたなどの理由により被相続人の戸籍等が多岐にわたる場合、多少余計に時間が掛かる場合もあります。
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相続する不動産に大昔の抵当権が付いているようです。抹消できますか? |
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可能です。
明治時代や大正時代など、古い時代に登記されて現在も残っている抵当権は「休眠担保権」と呼ばれています。この休眠担保権は、債権者(行方不明であっても構いません)に対する催告や被担保債権に利息損害金を加えた額(通常は数百円のレベルです)を供託する等の手続を経ることによって抹消手続が可能です
ただし、これら休眠担保権の抹消登記手続は通常の抵当権抹消登記とは異なり、高度な知識や経験が必要となりますので、該当される方は一度専門家にご相談ください。
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遺言の有効性や、遺言その物がどのようにして作られたかによります。
詳しくは、遺言に関する基礎知識を参考にして頂きたいのですが、遺言にはかなり厳格な要件があり、それを満たしたものでないと、有効な遺言とはなりません。また、仮に有効であるとしても、公正証書遺言以外の遺言については、家庭裁判所の検認手続を経た後でないと有効な遺言書として登記に使用することはできません。
もっとも、遺言書が公正証書により作成されている場合は、検認や有効性の確認をしなくとも、まず間違いなくそのまま登記に使用できるはずですので、その場合には直ぐに登記をすることも可能でしょう?
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妊娠中に夫に先立たれ、夫名義の不動産を相続することになりました。他に子供はおらず、夫の父母もすでに死亡しています。この場合、私と夫の兄弟が相続することになるのでしょうか? |
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胎児であるお子さんと貴方の名義にすることができます。
基本的に、人の権利は出生して初めて認められるものです。しかし、相続に関しては、それでは被相続人の死亡という事情により、既に生まれているかいないかによって、重大な差異が生じることになります。そこで、民法では、胎児は胎児である間でも、既に生まれたものとして扱われることになっており、登記手続上も、胎児名義(お名前は決まっていなくても構いません)とする相続登記をすることが認められています。
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